佐藤多佳子『いつの空にも星が出ていた』(講談社文庫)
感想を『読書メーター』にも投稿しました。

大洋ホエールズと横浜ベイスターズにまつわる四つの物語。野球ファンの心情を実によく描写している。
懐かしい試合と選手たちの描き方も良かった。
個人的には弱かった時代が舞台となっている「ストラックアウト」が特に良かった。
チームへの喜怒哀楽の混じった複雑な感情を抱き、どうしてもベイスターズから離れられない登場人物たちに、暗黒時代を経験した阪神ファンとして深く共感した。
また「ダブルヘッダー」では一人の少年の旅と家族の歴史がそのままホエールズとベイスターズの歴史そして日本シリーズ進出へと重なっていく描写に惹かれた。

それから、98年のリーグ優勝、2016年のCSでの激闘はリアルタイムで覚えているので、作品中での描写を読みながら「そうそう、そういうことがあったよね」と懐かしく思い出した。
98年に横浜がリーグ優勝を決めたときの阪神の最後のバッターは新庄だったよねえ。あの三振シーンは何度も流れたので阪神ファンとしては忘れられない。

bookmeter.com/reviews/12183981

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訂正:「2016年のCSでの激闘」→「2017年のCSでの激闘」

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